公開: 2023年3月31日
更新: 2023年4月23日
米国社会では、大学生の多くが、在学する大学から、奨学金を貰っています。奨学金は、入学選抜の時に、大学の入学事務局との話し合いで決まります。学生は、いくつかの大学から入学許可をもらい、入学条件を見比べて、どの大学に入学するかを決めます。ですから、超有名大学でなくても、奨学金で授業料が免除される場合、その大学への入学を選択する例も多いのです。この奨学金の原資は、大学の卒業生からの寄付金や、企業からの寄付金、そして大学の基金で賄われている例がほとんどです。大学の学部長は、優秀な高校生を入学させるために、その親と、入学の条件について詳しく話し合います。
大学にとって、優秀な学生を集めることは、企業との共同研究を行うためにも、重要なことです。優秀な学生が多くいれば、企業からの研究委託も増えるからです。さらに、そのように優秀な学生は、将来、そのような企業に入社するかも知れません。企業からすれば、企業の将来の人材を確保する意味でも、その学生が属している研究室への研究委託は、意味のある投資になります。その研究委託費の半分は、大学が運営費として徴集しますが、残りの半分は、研究室に渡り、給与が支払われない休暇期間中の教員達の給与や、研究補助の学生達への人件費に充てられます。その意味でも、良い学生がいれば、企業からの研究委託も増える仕組みになっています。